事業主の保障の全体像
相談事例集(法人) / 2022.03.27
皆さま、こんにちは。
今回は「事業主」の保険の管理のポイント、保障(補償)の全体像の見方についてお話ししたいと思います。
ここでいう「事業主」は、個人事業主か法人の代表者かを問いません。
ですが、一般の「個人」と「法人」が別人格として区別されている通り、抱えるリスクはそれぞれ異なります。「個人」は主に「日常生活を過ごす上でのリスク」であるのに対し、「法人」は主に「事業活動を行う上でのリスク」を負っています。また、法人は業種によっても備えるべき保険や補償も違います。
このように考えると、個人事業主や法人の代表者は日頃から「個人」と「法人」の両方のリスクに目を向けておかなければなりません。
また、事業主は「個人」としても「法人」の代表者としても同一人物であるため、特に中小企業ではお金の周りのリスクについて上場企業などの大企業よりも「多面的に」「立体的に」管理する必要があると考えられます。
なぜなら、事業資金の借入れの際には個人保証が必要になる場合もありますし、事業で得られた収益を家族を守るための役員報酬と社員や役員のどのように分配するか、また代表者の死亡時には相続や事業承継を健康なうちから対策を講じておく必要があります。
先ほどにもある通り、事業主は「個人」としても「法人」の代表者としても同一人物であるため、それぞれ「日常生活を過ごす上でのリスク」と「事業活動を行う上でのリスク」を普段からすぐに確認できるようにしておくことが望ましいと考えられます。
そのためには、弊社の保険管理表のような一覧表を用いて「個人用」と「事業用」とに分けて作成し、セットで管理しておくことをおすすめします。
こうすることで、
①保険の全体像が把握でき、安心できる
・・・個人で加入している保険、事業主として加入している保険が一目瞭然。
・・・保障の全体像が把握できるため、保険の手配モレがないかもすぐに確認できる。
⇒「個人用」と「事業用」の二つの「保険管理表」を平行して、指さし確認することがポイント。
②保険料のコスト削減につながる
・・・個人と法人の全ての支払保険料が確認できる。
・・・個人と法人両方で、同様の保険に重複して加入している場合もあります。
⇒中小企業のオーナーにとって、運転資金の調達や納税の観点で考えると個人と法人の“財布”はつながっている。
③必要な保障額の再確認ができる
・・・中小企業の経営者の「万が一」の際に、「個人」としての家族の生活保障と「事業主」としての借入金の返済や運転資金の確保などの事業保障の二つの観点で備える必要があります。
⇒役員としての「死亡退職金」も家族の生活保障の一部となる点にも注意し、個人と事業主間の保障額の最適化が図れる。
もし、事業主の皆様の保険の管理が煩雑になっている場合は、「個人」と「事業主」の加入している保険を、保険管理表による棚卸しで一元管理してみてはいかがでしょうか。(加賀山望)